銀河鉄道の夜/ヤマト
 
夜行バスに乗った
実家に帰るための一手段に過ぎないのだが
安い、早い、と言う点が気に入ったのだ

僕の実家はけっこうな田舎だ
夜行バスから見える星がとてもキレイで
満天の星を見ると実家に帰ってきたな、と思う

そう、僕は帰ってきたのだ


実に5年ぶりに会う友人は大して変わってなく
変わったことと言えば
お互いに酒を飲める年齢になった、ということぐらいだろうか

僕の地元に「銀河鉄道の夜」というお酒がある
地酒マニアなら知る人ぞ知るお酒だ
夜行バスの中で僕はこのお酒のことを考えていた

2人で「銀河鉄道の夜」を飲む
べらぼうに高いお酒で普段は手が出ない
公園で飲む、おつまみは思い出話だ

もし僕がジョバンニならば
君はカムパネルラとなるだろう

まだまだ若い僕らだが
いつかは死に別れるであろう友
再び離れたとき
君の見ている星が
僕からも見えるように
今、僕が見ている星を
君も見ていてくれ
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