十月 十一月 十二月 虹/青色銀河団
十月
忘れられない人がいる やわらかな白いカーディガンをきて 水辺のそばに佇んでいた人 手をふりやさしくぼくに微笑んでくれた あかるい霧のような雨が降っていた
ぼくは何気ないそぶりで 自然に振舞おうとしたけど それがとても不自然で まっすぐその人を見詰めることができなかった 拗ねたような顔をしたぼくは まったくの子供だった
いつも遅れる時計について
時間のながれる速さについて
とおい星の生誕について
南極の短い夏に咲く花について
水銀計について
渡り鳥の飛行距離について
空の大きさについて
銀河系の大きさについて
―ちっぽけなぼくの気持ちについて
雨は止ん
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