そうして積もっていくのなら/nm6
 
車の走る音が聞こえていて、「くらい」と「くろい」の境目をさがしています。光る点は、ぼくは、時間とは。かすかに白がぼやけて湿らせた夜、ゆら・ゆれるあふれをせきとめるようにして、すれ違う日々/人々をなぞり。あ、「くらい」と「くろい」の境目は、たとえばきみと夜闇との間、つまりはその輪郭なのでしょうか。思い巡らすトレース、その高らかな行きつ戻りつ。たとえばいつかの渋谷交差点の午後を振り返るにしては、直線でゆっくりと繋がりゆくイメージの、そら浮き上がる誰かのいま/どこかで、を。ようやく、も見えないのです、延々と。




すでにゲームは始まっているのに、ぼくはスタートから逃げ続けているのです。

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