空色の靴/成澤 和樹
 
空色のアキカンを蹴り上げたら
何処までも飛んでいったのか
二色の虹の向こう側へと
消えていったようだ

キンモクセイの香り
すっと吸い込んで地面を蹴ったら
僕の靴も空色になって
二色の虹の向こうまで
飛んでいけるだろうか

引力に逆らった水滴のように
散らばりながら地上の景色をとりこんで
世界を照らす
一つの小さな地球儀に

なれるかな

空色の靴で駆け出そう
天上地図を描きだそう
もう飛べるかなんて
迷わないように

空色の靴で描き出そう
未来の足跡見つけよう
もう歩けないなんて
諦めないように

夢中の空で描き出そう
二色の虹向こうから
帰ってきて見上げても
また飛べるさなんて
思わないように

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