スローモーションで行けばいい/望月 ゆき
 
 
感性に年齢は関係ないか。
と、聞かれたら。やはり「関係はある」と答えてしまうだろう。
 
まだ10代前半の頃、詩(のようなもの)に興味を持ち、作品と言えるほどではないにしても、走り書きのようなものだけは、ずっと書き続けている。
それを読み返してゆくと、気づくことがある。 
あの頃は、という言葉を使うのはあまり好きじゃないのだけれど。
それでもやっぱり、あの頃は、今とは明らかになにかが違っていた。
毎日が過ぎてゆくスピードは、今より数倍速かった。
けれど、そんなふうに猛スピードで過ぎてゆく日々の中でも、わたしはいつも何かをとらえていた。
ちゃんと。
見落としたものも、たくさ
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