紫陽花が咲く頃に/ベンジャミン
 
あなたの白いスカートが
ひととき夏色に見えたのは
うすぐもりの雲の切れ間から
気まぐれに顔を出した
あの眩しい日差しのせいではなく
あれはそう
道をさえぎるようにもたれかかる紫陽花に
語りかけるようなあなたの姿が
まるで景色の一部のように思えた
錯覚のような
それでいて
確かな記憶に残る
別の眩しさのせいでした


六月は
そんな淡い想いをにじませる青色で
あなたは紫陽花に寄り添って
ひとつひとつの花びらを
めくるように見つめていました
梅雨ですから
重たい空がたえきれずにこぼす
雨粒にたたかれてしまえば
余計な悲しみまで感じてしまうのはもう
仕方の
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