『赤い傷魚』/川村 透
 
いかけて


聞こえてくるのはピアノ唱歌でしょうか?


赤いべべ着た、かわいい、傷魚


おめめをさませば、...おめめをさませば


あれは、何の傷道じゃ


あの子の七つのとむらいに


卒塔婆をおさめにまいります


”線分、SEVEN、7、seven、線分”


僕の脊髄から肩甲骨を砕いて生えてきた


ヘビ、が背中で泣いている


あげひばりがぼくのせなかのヘビをついばんで飛ぶ


”地地地、知知知、オロ血、ミズ血”


空に赤目がひらく、きずぐち、がわらう


むなくるしい、中空の傷道、ほほよせて導かれ

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