ひかりのことば/シアン
気が付くと、僕は森のなかにいた
目の前に少女が立っている
僕は、その少女から目が離せなくなった
上空から光が差し込んで来た
僕は、すぐにそれが言葉だとわかった
「これは言葉よ」と言う意味だった
僕も、すぐに返事を返した
少女はそれがわかったようで、僕に微笑み返した
ここでは言葉は意味を持たない
僕達はしばらく、光のような言葉で話した
「どこから来たの?」
「地球」
「どこにあるの?」
「とても遠いところ。この星は綺麗だね」
「ええ。地球は?」
「とても綺麗な星だよ」
暗い光が降って来た
それは、「さよなら」の意味だった
次の瞬間、辺りの景色は、いつもの宇宙空間に戻った
地球から1500光年離れた星の出来事
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