汚れて、汚れて、また汚れて/ヤマト
子供の頃はその気になれば空を飛べると思っていた
たぶん人間だけだろう
大きくなる代償に
少しずつ少しずつ
心の中の何かが壊れていくのは
何かを捨てなければ大きくなれない
そんなことは分かりきっているはず
水溜りがコーヒー牛乳に見えた
子供の頃の自分はもういない
ヒーローにあこがれて毎日走り回ったり
いつの日かカメハメ波を打てると思ったり
そんな純粋さをいつの間に失ってしまったんだろう
好きなことをやるために汚れて
大きくなって
また汚れる
今、好きな人と一緒にいる幸せがある
でも僕は汚れている
毎日、毎日、何かしら汚れているのだろう
汚れない人生があるなら、僕はそれを選ぶだろうか?
たぶん、いや絶対に答えはNOだろう
汚れることに慣れてしまった人間は
汚れることに何ら抵抗を持たない
そんな自分が好きだったり、嫌いだったり
そんな人間が好きだったり
嫌いだったり
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