とことん混沌/ベンジャミン
私は私の私を私のものとすることができない
だとしても
たとえば今日という日を生きなければ
明日は永遠にやってこないという真実
その中に曖昧が含まれているとしても
また明日もそうやって生きてゆくのだ
ほんのわずかを記憶しながら
とことん混沌とした日常の中
多くのものを忘れてしまうとしても
あるとき
ふと大切なものに気づかせてくれるのは
そんなわずかな記憶たちだから
あまり嘆かないようにしようと思う
混沌があるからこそ
浮かび上がるような確信もあるのだと
だから
そこんとこよろしく
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