ブルー・ハーツ/千月 話子
 




空気清浄機が外の空気を汚して
室外機が熱い空気で空に穴を開ける
車はいつまで黒い息をするのだろう
紫煙が清潔なCMで隠されてゆくよ



窓を開け放って 窓を
開け 放 っ て
通り過ぎる風鈴の音が
せめてもの 慰め



鳥が歌う 虫が鳴く
花が回る 魚が流れ行く



かの国の大地が揺れて かの国の上下が死んで
 私達は 罪人と呼ばれ
地球は生きるもの全てが 生きる星で
 人は上級の悪人と成り果てて・・・



いつか 荒れ果てた地に
朗らかな向日葵の花が咲いたとしても
嬉しいのか、悲しいのか
判らないまま泣くのでしょうか



そして、あの忘れがたき
チェルノブイリの空を想うのです。




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