「 水曜日の蹴球。 」/PULL.
夢のまた夢だった。
子供の頃のワールドカップ。
クライフのプレーをTVで初めて見た日。
あの瞬間の衝撃を、今も鮮明に覚えている。
学校を休んで見に行った。
ワールドユースの、あの19歳のマラドーナ。
お小遣いを貯めて観に行った。
ペレ達が出演していた「勝利への脱出」。
サッカーは僕のすべてだった。
だけどもう、サッカーは僕のすべてじゃない。
サッカー以上に大切な存在が、今の僕にはある。
夢のまた夢だった。
子供の頃のワールドカップ。
それはブラウン管の向こうの、手の届かない、確かな現実。
勝利をありがとう。
戻る 編 削 Point(2)