コンパッショーネ/終
頭中に鳴り響くコンパッショーネにオモイ馳せる。
ゆらゆらと蠢く音流に瞼を閉じる。
ユニゾンのベースが弾き出され、心は静かに足踏みを始める。
***
ウチッパナシの壁に投げつけるのは泥ではなく自らのコブシ
座り込んだ壁と大地の隙間をジィと見つめている
背中から零れ落ちる感情の波に弄ばれないようにそっと壁に背をオロス
***
左手に土を握り締めて
右手を空にかざして
風に心を飛ばして
***
「オモフ」から「トドク」までどれほどの距離があるというのだろう。
手を伸ばせばすぐそこにア
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