赤/
AKiHiCo
硝子の破片を踏み締める感触
裏から赤が流れ出し反射する
握れば滴り落ちて
届かない思い叶わない願い
僕は床に散らばった破片を
両手に掬い上げて
ゆっくり握り滴る液を眺める
頬が涙を伝って混ざり合う
温い感覚と痛み
声にならない悲鳴を上げて
助けを求める心が憎い
誰も来ない事など判っているのに
突き刺さる破片は鋭い光を放ち
壁はその赤に染まってゆく
壊れたわけじゃない
裸足で踏み締める感触
痛みが鋭く体に走る
握れば手首に筋
戻る
編
削
Point
(1)