夏の日(III)/
tonpekep
ぼくは歌わなければならない
風をひとつ折って その先で
記憶する 読むことのできない詩集の中で
ぼくは歌わなければならない
花と恐竜の足跡を辿れば
やがてぼくらは海の波のひとつであることに気づくように
ぼくは歌わなければならない
恋人の滴り落ちてゆくその下に
果実をひとつ置いて
ぼくはきっと歌わなければならない方角を
捜さなければならない
千年の雲の行方を捜し続ける旅人のように
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