都市伝説/いとう
 

知らない足音がわたしたちを追い越し
立ち止まっていることに気づく
群れるものたちのすべてが
居場所を持っているように見えて
小さな声でいることに
少しだけ疲れて

彩られた樹木たちは喧騒を映すけれど
あの中にわたしたちはいない
うつむいて、手をつなぐと
どこかで汽笛が鳴って
夜の闇に
薄く迷う

あなたの周りで死にゆくものが
あなたに何も告げないのは
あなたのために
死ぬのではないから
つながれた手と、手の、隙間から
飛び立つものを拒絶する夜
わたしたちは静かに崩れ
揺れ動くことさえふいに
見捨てられたように
震えているのは
わたしではなくあ
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