おぼろげ/
たもつ
空は鋼鉄製の空
優しい飛行機だけが
僕らの所有する
すべてだった
乗客は皆
海のかたちをしていて
ポケットは
いつもだらしない
客室乗務員が
小学生のように
一人
また一人と
忘れられていく
きれいだったね
透きとおってないものは
どこまでも
透きとおってもよかった
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