ぴぴっぷどぅ。/かのこ
夏の訪れるそのすこし前に
乳首のあたりの産毛を剃ってみたのは
それはわたしが見事なまでに
馬鹿な女だからです。
浴槽でマリリンのことを考えて
女として生まれてきたことを
面倒くさいと思いつつも
それが素晴らしいことのように思えた。
素っ裸で鏡の前に立ってみたら
なんだかすこし笑えた。
わたしのことをまるで猫のようだと
撫でてくれる人を思い出す。
濡れた髪にかまうこともなく
電話のベルにも余裕を見せつけて
「どうかしたの?」って言う。
それが素晴らしいことのように思えた。
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