消える読者/後期
この物語は、あなたが読むことで初めて形を得る。
読まなければ体験は消え、読むのを止めれば未体験も跡形もなくなる。
さて、始めましょう。
あなたは、もう読んでいる。
そして、この文章の存在に気づいた瞬間
ページの中で、主人公が立っている。
彼は三行目で死ぬ予定だった。
二行目では、彼はまだ自分が死ぬことを知らない。
一行目。彼の死は、すでにあなたの存在と交錯している。
あなたは「読者」であると思った。
しかしその思い込みは、もう通用しない。
なぜなら、読むことと消えることが同時に起こったからだ。
読むという行為は、あなたを物語の内部に取り込み、外部性を奪っ
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