たいらな気持ち/秋葉竹
なにが破れたのか
わからないまま
心の底のほうから
ぽたりぽたり
黒いものがしたたり落ちている
もう
来ることのないやさしい白い部屋に
うち棄てられた想い出が
お辞儀をするように
静かに転がっている
もう
いいんだよ
もう
諦めることもないんだよ
駅前のタワーマンションや
郊外のイオンモール
なんてべつにいらないかな
ひとりでも
おだやかに
ひっそりと
住んでゆきたいかな
恵まれた時間の果てに
なにが待っているのだろうか
まだみない春の陽射しの中を
なにが舞っているのだろうか
悲しみの気配だけが
夜のすみずみまで浸してゆくものだから
真っ正直をみすえたまま
この部屋を出て
街へと向かおうか
急がなくていい
焦らなくていい
諦めなくていい
新しい夢が
そこにはひらひらと舞っているだろう
そして
待って
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