「みとふかちゅさにゅ」/後期
 

みとふかちゅさにゅになる。

やがて、
ビルが傾く。

倒壊ではない。

内部がほどける。

鉄骨の順序が
みとふかちゅさにゅの配列に
置き換わる。





ちゅ

にゅ

階層が音節に崩れる。

最初に崩れたのは窓だ。
次に柱。
最後に、基礎。

爆音はない。

鼻音が吸い込み、
摩擦音が削り、
破裂音が点で壊し、
さ、が面を均す。

都市は静かに
発音され直す。

みとふかちゅさにゅ。

巨大なのは
身体ではない。

配列だ。

音の順序が
物質の順序を書き換える。

そして最後に残るのは
瓦礫ではない。

湿った、
にゅ。

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