氷の花のゆれるとき/秋葉竹
 

コリアンタウンにある
神社の片隅に咲く
氷みたいな透明な花を
不思議な気持ちでみていた

触れると溶けそうな
むかしの夢の影のようにうっすらと
風にそよそよとゆれていた
すぐに消え行ってしまいそうな花

ストリートはひとの波がひっきりなしで
さまざまな国のことばが飛び交う賑やかさ
誰からも残されない楽しみの風景が
鮮やかな輪郭を刻み込み流れつづけて行った

美しいひとのシルエットが笑っている
鋭い目の若者たちが弾けあって笑っている
永遠の友情がぼやけてゆく儚い紙風船
小雨のように散りばめられた宝石の笑顔たち

あしたを信じて記憶に封印をする
悲しみの魔法もすでに憶えたし
ただ風のなかでゆらゆらゆれている
美しいひとの笑顔模様の花の顔も憶えたし


 

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