十六夜の蜜事/板谷みきょう
いま ゆっくり
なぞっている あなた
あなたは
しっている
わたしが
ひらいて
しまうこと
みないで と
いっているのは
どちら
わざと やさしく
やらしく やわらかく
したから よぶ
こえの あつさ
ねえ よんでる
あなたも すこし
ぬれて いるんでしょう
なんども みてきた
はずなのに まだ
こんなかお するの
その しずかな
いきが はげしく なる
と
いちばん
はしたない ばしょを
ゆっくり たどって
つゆに ひかる ゆび
ほら
いま
とじようとした のに
ゆび のせいで
とじれない
いざよいの ひかりは
まるくない
すこし かけて
その かけた ぶぶんに
ひっかかって ぬけない
わたしだけが
ひらいてるのでは ない
よんでいる あなたも もう
すこしだけ こわれて
その こわれめから あつい
しろい しずくが ながれこむ
ああ いやだ
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