心療内科へ。/
かのこ
陽のあたる坂道で
ふと立ち止まる私を
だれも見てはいない。
木々のさやぐ音だけを
聞いている。
此処にはなにもないけれど
ゆらゆらと揺られて
生きてるんだと思った。
ゆるい風が
髪にそっと動きをあたえて
眼鏡ごしの小さな季節
ぎしぎしときしむ身体
泣き疲れた朝のワンシーン。
ただ耳を澄ませていると
お元気そうでなによりです。と
だれかが微笑んでいるのがわかった。
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