恋人みたいな月に祈りを/秋葉竹
 


陽が落ちて
瞳に星が映るころ
想いは湖面にさざなみ立てる
ふと
舟にねころび夜空をみあげる
やわらかな
視線をわたしに呉れている
まんまるい
満月が
やさしく笑い
あたたかい火のような月光を
そっと地上と
この舟に
浴びせるように
降り注いでくれている

とくべつな
ひとなんて
いないんだ

けんめいに
生きてゆくひとたちだけが
そこここにいて

胸に埋まったさみしさを
笑顔でごまかす夜にも
泣かずに
いくらでも
終わりにするほうほうなんて
あるよ

そのままに
流されながら生きていればいい
刺されたり切られたり
した

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