バンドアンサンブル(改訂)/ひだかたけし
 
生まれ出ずる何処よりか
とてもとほくから響く声により

多なるもの一となり
一なるもの多にして
たまさか重なり合い
響き合い驚き合い
にもかかわらず
それ起こるべくして起き
自ずと笑い交わし逢いながら

際どい均衡保ちつつ
互いに互いを生かし生かされ
一なるイノチの充ち溢れ 

既にし投擲され
打ち込まれた異形ノ杭一塊り

貴方も私もそれぞれの
個体人格を背負い生まれ
今生にて更に意志し
肉身遺伝と闘い合い
自らを尚も育みながら

瞬く閃光アンサンブル
折に触れて奏でては

(スタジオに向かう車内にて
お前らやがてスキーや車の話で盛り上がり
俺は未だ未だ一人〈音楽〉に想いを馳せて)

さようならさようなら

出逢い別れを繰り返し
背景装置の次々変わるも

意識と云う舞台それ自体が
自ずと共鳴するは

今に至りて一度だけと


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