霞む早春/
伊藤透雪
春の息吹に乗る微粒子
乾いた朝でも曇る息
微細な空の揺らぎに
晴れも霞んでいるので
日が翳る
1ッ目のおばあさんが
足を引き引きもっさり歩き
折角の春の兆しが
煙にむせる
マンションの谷は
嵐のようにけむにまいて
目を撫でるもんだから
1ッ目では瞼を閉じて歩けない
止まって涙拭き拭き
のろのろ歩く
春の嵐の前座は
張り切りすぎだ
全くもって笑えない
明日晴れるのか
雪が降るのか
全く見えない
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