笑う余裕/秋葉竹
いい匂いがする夜
笑いたいなと
極北の星に祈る
三日月が
痩せて
未来の心配を告げた
やさしい笑顔ですべてを洗ってくれる
たとえば
森の奥の鏡面のような湖に映るのは
楽じゃない気持ちを
眩しい笑顔でごまかす太陽なのか
たまたま出会った霧雨のあの瞬間から
すべての『好き』が届かなくなるときまで
人魚の救済を正義と信じ
涙まみれになった
黄昏れの
悲しみの物語は
あっさりと終わりをむかえるに違いない
血が
したたるほどに
幸福の涙を知り
夢を解体する手立ては
手練手管を寂しげに述べたてる
そのくちびるがうっすらと
輝いているのも
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