新しい朝をさがして/歌留多カタリ
夜の燐光収束地は
海へと続く迷い道
今夜世界は
沖合いの烏賊釣り船の
集魚灯に照らし出され
真昼のよう
微光と微笑
この穏やかに過ぎていく命題の不在について
安酒場の窓から問いかける
押し戻される時間の波に
酒場女の指先がおののき酔いしれ
しぶきをあげて翻転する
仄くらい裏窓の鈍色のベッドで
シーツを引き剥がし
ひとすじのすりきれた影となって
佇んでいる
わたしは
時間の壁に擬態し
夜のしおりに差し込まれ
火のついた煙草に悲鳴をあげ
ふたたび炎光の中に投げ込まれても
灼熱の流涙を掴んで笑うのだろうか
限りなく引き伸ばされた夜のなかに
小さく丸くなって息をひそめてる
新しい朝なんかこれっぽっちも
さがしてなんかいなかった
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