小説の習作 原稿用紙三頁 #08/田中教平
 

そして原付バイクに乗って証明写真を撮りに行った。証明写真機はドラッグストアの外にあった。証明写真が一回、千円するのに驚いた。又、彼は出来上がった自分の顔写真を見て浪人生のようだと思った。
 ユウスケは毎日、私小説を原稿用紙換算で五枚書く、と決めていたが、最近、生活がちりぢりになっているようで、帰宅してノートパソコンを開くと、WORDを原稿用紙設定にせず立ち上げて、ここ数日の反省を書きはじめた。やはり、インターネットでスクリーンを見ている時間が永い事が気になった。
インターネットが日々の生活をおざなりにしていた。

「ほら、証明写真」
 ユウスケはカナに撮ってきた証明写真を見せた。
「かわいいね、坊ちゃんみたいだね」
そして彼も彼女もすべてを放りだして、この日曜の午後、眠りに就いた。

戻る   Point(3)