喫煙所 曲ありバージョン/花形新次
安い煙草の
強い匂いに
懐かしさを感じる
それは
昔住んでいた
部屋の記憶
山積みになった
本に埋もれるように
暮らした日々
煙草をくゆらせながら
むさぼるように
読んだっけ
そう言えば
三島の小説に
煙草ってあったよな?
あの頃は
何にだってなれるって
思っていたけれど
結局
何にもなれなかった
煙草を吸うにも
マンションの外に
出なきゃならないなんて
寒空の下
わざわざ
ダウンジャケットを
着込んでさ
同じような
住人と並んで
気まずそうに
一服すると
そそくさと
エレベーターに
乗って帰る
本当に
つまんない
世の中になったもんだ
あの頃は
何にだってなれるって
思っていたけれど
結局
何にもなれなかった
哀れなもんだな
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