ユウスケの御託/田中教平
 
酒である事に気づいた。なぜか彼は愉快な気持ちになった。お酒の悲惨さは重々承知の彼であったが、思考が自動思考になっていた。彼はコンビニに戻って、安いウイスキーの小瓶を買おうかな、とも思った。しかしそれが実際に行動に移る事は無かった。帰宅して彼はノートをひらいたら、やはり「断酒、禁煙」と筆ペンで大きく書いてあった。
 カナは買ってきた日用品をせっせと片づけている。ユウスケはカップラーメンなどの食品を片づけた。
 ユウスケは芥川龍之介が気になっていた。昨晩、彼は夏目漱石の『こころ』を一気に読んだ。圧倒されもしたが、『先生』から送られてきた最後の手紙が長すぎる。原稿用紙換算で二百枚はある。そんな厚い手
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