脂喰坊主と十人の詩人/AB(なかほど)
 
 あえの風。波の反芻する沈黙。
 将軍スコットが 青い椅子に腰を下ろせば
 卓上の遊戯は 古代の夢に溶解する。
 黎明。
 彼は一粒の牌を遺し、化石のように去る。


三郎

 あれからさんらーは
 縁石に腰かけ、凍えた星の番人となり
 「も、朝はまだですか」と繰りかえし問う。
 ああ、もう朝は――
 修羅の君が消えてしまう ひかりの朝は来ないのだ。




 うたあの上の口は 餅を食む口
 下の口は おどろおどろと鬼を食む。
 その願い、世界の果てまで届けかし。
 それまでは、
 竃のほとり、小舟の上で、とんとん餅を搗く。


木精

 ゆ
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