小説の習作 原稿用紙四頁 #05/田中教平
 
 怠かった。朝から薬を何錠も服して、書斎の暖房は頭をぼうっとさせ、足は冷えたままだった。ここに回覧板がある。開いてみたがユウスケの頭の中に情報が入ってこない。外は小雨がふっていた。傘もささず、ユウスケは走って小道を抜け、少し大きな道へ出て、空き家の前を通り抜け、二軒目の御宅のポストに回覧板を差し込んだ。
 まじまじと空を仰ぐ。灰色の雲が一面を覆っている。しかし、東の空は仄か、明るい。
ユウスケは今来た道を走って帰った。
 カナは一枚の書類に目を通している。診断書だ。ユウスケは『重症』である旨、書かれていた。カナは固く口を閉じて、その書類を棚に押しこんだ。
 帰宅したユウスケは書斎に戻り、溜
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