咲子?/たま
に入ると、輪を描いた椅子が島をつくって、いくつもならんでいたから、フロア全体が待合室であることがわかる。乗船を待つひとの数は意外と少ない。まだそんな時間帯なのだろうか。
フロアの奥には、乗船チケットの発売窓口がならぶうす暗い壁があって、料金表と共にさまざまな注意書きが掲示されていた。
客船に乗るのは生まれてはじめてなのに、わたしの知ることといったら、ここへ来たら「かめりあ丸」に乗船できるという程度だった。色褪せた注意書きを一枚ずつ丹念に読む。
窓口で乗船チケットを購入する際は、乗船票と呼ばれる用紙に諸々の個人情報や、行き先を明記し、提出しなければいけないらしい。その乗船票は、窓口
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