どうせしにゆくだけのものそのじんせいのひまつぶしに/あらい
 
       
 
濃い雷鳴がゆっくり移動して呼び捨てにあたるとき
ゆるく祈るようなときならぬ。こう、しばらく抱きとめる
「いかれている」ひと息ごとに部屋を柔らかく塗る
 
 あたたかい午後の隣で、濡れた針は互いを文字がすくいとり、定規ない線が雨をおさえ眠っていた。海なり、貝殻のおくで迷子になった波が何千年もかけて、ひとつの錨を見つけた時の透明なライド、鎖きしみがほこりの域を夜の高さで足をとめる
 湿った海図に変わって持ち上げた手のひらの中央に指さしたのは、のろい 裏返る・ゆれる 瞼に厚くする。きっと一番星はおもみない蜜柑の香りが夕暮れをろ過するブレーキ音。段差は勝手に殖え、夏がこぼ
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