一日半/田中教平
ナは、とおく古書店に向かっていたユウスケのスマートフォンに何度も「さびしい」というメッセージを送った。ユウスケは焦りつつ、自宅に帰った。
一方で、ユウスケは家事が苦手で、家計のやりくりも含めた多くをカナに負担させていて、ユウスケは常日頃、自分を薄情にさせるのは、自分の無力ゆえだと自分を責めた。
これはユウスケやカナどちらかが、悪いという事ではなかった。互い、世話を焼きすぎてでも、家庭を維持しなければならない余裕の無さのようなものを、互いの疾患自体が、作り上げていたということだった。
ユウスケは思案を巡らせて、今日、体調不良で事業所に行けなかったけれども、その先方への連絡は、自分で入れる
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