咲子?/たま
 
つくことができた。
「いいなあ……あたし、こんなのが見たかったの。東京タワーも、原宿もわるくはないけど、あたしね、隅田川の風景がいちばんだとおもってたのよ」
 それで隅田川だったのか……。
「おーい!……あたし、東京にいるんだよー」
隅田川の空に向かって咲子はたかく両手を突き上げた。あまりにも想定外のことだったから、わたしもつられて、ぽかんと口をあけて空を見上げるしかなかった。
 咲子がさがしていたものは、東京の風景のなかに立つ、自分自身のすがただったのだ。
 

                              つづく




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