大寒の頃/田中教平
 
解きのような引っ掛かりができると、すぐさま、パソコンでWORDを立ち上げて、ガンガンと書いていった。ノートに手で書いたものを、WORDに移し書いてみて、その文面の様相が良いと、カナは嬉しくなった。
 それでもやはり日頃からとても気軽に長電話を掛けられる友人が一人でもいないことには寂しくなったが、だが、もうカナは孤独ではなかった。
 一人炬燵にくるまって、ウトウトしつつも、頭の中では小説の続きはこれでいいでしょうかねぇ、と考えているとき、あの怖ろしい孤独という感情は芽生えていない。そこにはない。
 小説の力はカナを強くした。後はユウスケ同様、日々の暮らしとお金のことである。
「わたし、今年は
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