不可逆的な変化/洗貝新
 

だれもいないディスプレイを眺めて
だれとでも会話できるわたしはいない
時間という記憶だけが過ぎている
だれもがいる夢の中で

人為的に造り替えてきた
もはや自然はどこにもないのだ。
我々は熊とは共存できない
合成された化学物質のすべてが
我々から自然に抗うことを退けた
空も
海も
山も
風も
大地でさえ
我々の目の前ではひとつのモニュメントなのだ。
ディスプレイの中に映し出される景色の中で
わたしはだれとでも会話できる
見たことのある羽根を広げて
幹の上からわたしに話しかけてくる
どこにでもある貝殻を拾う
もう、
後戻りはできない





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