雪男/月乃 猫
 

重なり合う息に、柔らかな透き通る肌がこたえ、
夢は覚めず


凍てつく冬の
迷い猫を 家に招じ入れるように
女を
拾う


男は、いつの間に 住み着いた女の
心をうばう 笑顔に
願うことを思い出した。


さよならと、
痛みを残す
鋼の鱗を増す 重さに
歩みもがき
逃れようと 忘れようと
山を訪れては、
踏みしめた雪に置き去る。


見つめる君は
森の静けさのまなざしに
何も知らずのふうで、
すべてを理解する

昼間の一人のさみしさに
やってくる野良猫と話をしていたり
飛んでくる鳥たちに 耳を傾け、

雪山をさびしがり
連れて行けば
人目もはばからぬ
裸足で 雪をふみ
無邪気にとびまわる


時は、
いつか寂しさを、女とともに流し去り
切なさに
しばらく
もうしばらく
生きていようと
想う





戻る   Point(13)