生の北方・死の南方/ひだかたけし
全てを喪失した
あの日を蘇らせる何ものか 、
脳髄刻み込み抉りつつ
思考力動のよりリズミカルに
くるくるぐるぐる円を描かせ
意識の内に
赤やら青やら紫やら
色々な色彩の
ぽっと浮かび上がり
しばし漂いながら
いつしか繁る高木の
照り輝く緑の色彩の群れ
ゆらゆらゆらら ゆぅらゆら
無音のままに延び拡がる時の
一瞬、光のヴェールを突き破り
ぐにゃりやはらか
光帯びる己、人体形姿の輪郭崩しながら
全ての意味が剥離し色褪せ
此の世のものでは有り得ない
蠢く生命それ自体の感触だけが浮き上がる
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