車窓/
ミナ
長い円錐形の羽をひろげて
悲しみの所在は
マトリョーシカ
水平線にまどろむ月明かり
ちらちらと
クリスマスツリーみたいに
遠くのビルの窓が見える
今朝は
真冬の都会に
白い傘を差しながら通り過ぎて行くもの
伴走して
見せかけて
何も残さない
壜の底に壜の色をした湖
永遠の勢いで涸れている
誰も住んでいない家が
車窓の闇を過ったあたり
お母さん、
と懐かしい言葉を口にしてみた
遠ざかる闇に
ひかり射す明日
また1日
家は温もりを忘れていく
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