鈍色の君/ヤギ
1
太陽が 赤い
赤い?
赤茶色の大地なんて
ハ ハ ハ ハ
見たナァ 映画で
土ぼこりが暖かい
イヌみたいに
大きいナァ
きれいだナァ
雲も風も
アア
大きいナァ
空はそんなに
永遠だったのか
2
知っていたわけないね
君の背骨を僕が見上げることなんて
学者に聞いたら
「黒い霧のような肉をまとって生きていたらしい」
だって
整って並んだ背骨が美しい
何も思わないから美しい
何も見ず感じずただそこにいることが美しい
3
たった千年
ちょっと昔に生きていた
人
の頭
の骨
ハローハロー
またいつもの勘違い
*
骨と骨の重なる山の中に
カリカリと潜り込んで眠るのは幸せだろう
向かい合うどくろどくろ
どくろどくろ
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