タライ/後期
『ブリキのタライ』
の件で
頭が一杯だ
タライ一杯では
足りない程
頭から滴り落ちている
視覚化出来ない
その滴りを
眉間に、受けて
鼻を通り
眼窩へと流れ込み
頬を濁流と
化して
口元まで辿り
着くのを、待っている
ようやく口角に
沁み込んできた
内容物は
無味と無臭の
思念であった
「恐れ」と分類しても
差し支えない
タライ一杯の恐れ
鏡を、顔の中に
ずらす
「恐れ」とは、無色であった
おい!
開けたドアは閉めろ!
ダダ漏れの頭をぶん回しながら
そこらじゅうに、「恐れ」を
マーキングしていく
「だらけだよ」
階段を一気に駆け下
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