Notes on The Wasteless Land. ? and ?/田中宏輔2
ころどころに、文字が削除されたために空白になっていたところがあったことである。それは、昨今の一部の小説によく見られる、会話が多いとか、改行が夥しいとかいったことによる空白ではなくて、伏せ字にあたる個所を削除して、その部分をそのまま空けておいたものである。伏せ字の処理が施してある本など、一度も目にしたことがなかったので、筆者には、なにかめずらしいものを発見したような喜びがあったのである。ふと、「大岡 信」特集号である、『國文學』の一九九四年八月号で、大岡 信が引用していた、松浦寿輝の『とぎれとぎれの午睡を が浸しにやってくる』というタイトルの詩が思い出された。これもまた、「至る所で字が飛んでいる」、
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