Notes on The Wasteless Land. ? and ?/田中宏輔2
 
僕らは、それについては何も知らないわけだ。芸術といふものが靄を発見するまで、それは存在しなかつたのだ。」と書いている。指摘されて、はじめてその存在を知ることができる、というのである。ディラン・トマスの『詩について』という詩論のなかにある、「世界は、ひとたびよい詩がそれに加えられるや、けっして同じものではなくなってしまうのです」(松田幸雄訳)といった言葉に通じるものである。そういえば、マイケル・スワンウィックの『大潮の道』11のなかに、指摘されて、はじめてその存在を知ることができる場面がある。夜空を見上げると、輝く星が闇のなかで瞬いている。しかし、相手に闇の方に目を凝らすように言われて、「見えた。二
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