Notes on The Wasteless Land. ? and ?/田中宏輔2
學の言葉にどうしても首肯できないというのも、彼が自分の魂を二つに引き裂いていたのが、じつは、より強烈な快感を得るためではなかったか、という疑いを拭い去ることができなかったからである。彼の『懺悔録』第二部・六にある、「私の苦悩は本能的に欲求なのだ。」(高畠正明訳)という一文を目にすると、なおさらそう思われるのである。ヴァレリーが、『邪念その他』Gに、「人は他人に聞いてもらうために胸を叩いて懺悔するのだ。」(佐々木 明訳)と書きつけている。ヨブ記二・一二にも、「声をあげて泣き、めいめい自分の上着を裂き、天に向かって、ちりをうちあげ、自分たちの頭の上にまき散らした。」とある。かつては、悲しみを表わすのに
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