Notes on The Wasteless Land. ? and ?/田中宏輔2
/そこで乞食となれば、今度は貧(ひん)窮(きゆう)にさいなまれて、/王でいた時のほうがよかったと思い返す。/そこでふたたび王者となれば、たちまちにして/ボリンブルックに王(おう)位(い)を奪(うば)われたことを思い起こし、/今や自分が何者でもないと思い知るのだ。だが、たとえ/何者になろうと、私にしろ誰(だれ)にしろただの人間である限り、/何物によっても満足は得られず、ただ、やがて/何者でもなくなることによって、はじめて安(やす)らぎを得(え)るしかない。」(安西徹雄訳、P・ミルワード『シェイクスピア劇の名台詞』講談社学術文庫)である。このセリフの最後のところにある、「何者でもなくなることによって」
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