Notes on The Wasteless Land. ? and ?/田中宏輔2
 
ゲンシュタイン』)といった考えを通して、ジイドが『贋金つかい』の第三部・七に書いた、「最も優れた知性というのは、自己の限界に最も悩む知性のことじゃないのかな」という言葉にあたると、ランボーがなぜ詩を放棄したのか、その理由の一端を推測することができる。ヴァレリーが、ジャン=マリ・カレに宛てて送った一九四三年二月二十三日付の手紙のなかで、ランボーについて、「《諧調的支離滅裂》の力を発明あるいは発見した」といい、「言語の機能をみずから意志的に刺戟して、その刺戟のこうした極限的な激発点へと辿りついてしまったとき、かれとしては、ただ、かれのなしたことをすることしか──つまり逃亡することしかできませんでした。
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